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ハダニ

ナミハダニ(Tetranychus urticae)は、特に暖かく、乾燥した環境で速く繁殖します。

チューブかん水システムやコンピュータ管理された気候では、成長に理想的な乾燥した環境を作り上げます。

株を刺し、産卵する場所にクモの巣状のものを張ります。

スリップスに使われる薬剤はハダニにも有効ですが、集中的な使用は抵抗が出てきてしまいます。

今日では、薬剤防除に代わるものとして生物学的防除が注目されています。

> はじめに

ハダニは、クモ形類(脚が4本)ダニ目ハダニ科に属しています。

一般的には、『ハダニ』は、ナミハダニ(Tetranychus urticae)を含む様々な小さなダニを指します。栽培植物の恐るべき敵であり、成長に適しているガラス温室のような環境では成長は速く、すべての作物を滅ぼしてしまうこともあります。

> 成長段階およびに身体的特徴

成虫の身体的特徴は下記の通りです。

肉眼で見ることができ、オスは全長0.3 mm で体の横幅が狭く、前の方は細くなっています。メスはもう少し大きいです(0.5 mm)。

成虫の体型は球状で楕円形です。表皮は毛に覆われ、黄色や緑色をしています。メスは、乾燥している時期および秋にはオレンジ/赤色になります。オスもメスも体の両側に黒いシミがあります。

 

ハダニは5つの成長段階があります:

  • 卵期
  • 幼虫期
  • 若虫第一期
  • 若虫第二期
  • 成虫期

 

幼虫と二期におよぶ若虫の間は活動期間と休眠期間があります。

ハダニのメス対オスの割合は、3:1です。成虫になるとすぐに交尾し、一度の交尾でメス一匹のすべての卵に受精します。受精されたメスは産卵し、そこからオスとメスの両方が産まれますが、受精されていないメスも産卵できそこからはメスのみが産まれます。

 

産卵できる数は温度や湿度に左右され、理想的な環境では一匹のメスは100個以上の卵を産めます。卵は丸く、直径0.1~0.2 mmほどです。産卵後すぐは透明で、後に不透明になってきます。葉の裏側によく産卵されます。

 

幼虫は、3対の脚を持ち、孵化後は赤い眼を持ち半透明です。摂食し始めると薄い黄緑色か濃い緑に変わります。十分摂食すると葉の上で動かなくなり、若虫第一期に備えます。

 

第一期の若虫は幼虫よりも少し大きいです。主な違いは脚が4対になることです。若虫は薄い緑から濃い緑へと変わり、体のシミもわかりやすくなります。摂食後、第一期の若虫は休眠し、第二期を迎えます。

 

第二期では、前期よりもかなり大きくなりますが色は変わりません。オスとメスは見分けがつくようになります。オスは小さくて細く、メスは大きくて丸い体型をしています。摂食後、再度休眠し、成虫になります。

 

この成長サイクルに必要な時間は、温度、湿度、摂食する植物およびにその葉の月齢に左右されます。20℃では、卵から卵までの1サイクルが17日間必要ですが、30℃では7日間ですみます。逆に、12℃以下では成長は止まってしまい、40℃以上では死んでしまいます。

冬にはメスが冬眠に入り摂食も産卵も止まるので、数の増加は緩やかになります。

> 加えられる危害

ナミハダニは、若い葉の裏や新芽の間または蕾の中に光を避けて生息します。幼虫、若虫、成虫のどれもがシクラメンに危害を与えます。葉の表面細胞を貫通し、食害します。黄色い斑点が現れ、全体的にも黄色くなり、その後鉛色になり、被害がひどい場合は枯れてしまいます。この黄化(クロロシス)は、クロロフィルの損失から光合成の活動が著しく低下してしまうことが原因です。

このような理由以外でも黄色いシミはシクラメンの美観を損ねてしまいます。

その上、注入される唾液は植物の組織にとって毒性です。

 

また、特徴的なのは、クモの巣状のアミを張ることです。コロニーが大きくまん延してしまうと株全体を覆ってしまうこともあります。クモの巣状のアミは主に葉の裏からはじまり、光合成の活動を弱めます。ハダニを風や厳しい気候からだけでなく、防除からも守ります。アミの中ではハダニは動き回り、産卵します。

> ハダニのまん延法

メスの割合が非常に強いため、各オスは成虫のメスに囲まれています。交尾があってもなくても、常に産卵が続いているので数は驚くほど速く増加し、増殖率も高いです。

 

ハダニは、地面へ落ちて新しい株へと移動します。ハダニが紡ぎ出す糸、クモの巣状のアミによって移動することも可能です。また、鉢などが移動した場合にも一緒に移動することになります。温かく乾燥した気候を好むので、ガラス温室の中でもそのような環境を選び、住み着きます。

> 生物学的防除

ハダニ問題の解決策としては生物学的防除が最適です。実際、一番最初に市場に出た生物学的防除製品はナミハダニ対策としてでした。

 

ナミハダニ(Tetranychus urticae)対策として、特定の捕食ダニ、チリカブリダニ(Phytoseiulus persimilis)を使って捕食します。このダニは同じくダニ目(Acarina)に属していますが、科はカブリダニ科(Phytoseiidae)です。体長はナミハダニとあまり変わらず、丸くオレンジ色をしており、背には発達した毛が生えています。

 

成長ステージはナミハダニと同じですが、幼虫およびに若虫期には休眠期がありません。成長サイクルは25℃、湿度75%で10日間なので、ナミハダニの数を追い越せます。

 

受精されたメスのみハダニのコロニー近くで産卵します。17~28℃の環境ではメス一匹につき60個産卵できます。卵はナミハダニの二倍の大きさです。幼虫は摂食しませんが、その後、第一若虫期から一生涯摂食を続け、ナミハダニのどのステージのものも食べます。

 

チリカブリダニにとってハダニは唯一の餌食です。チリカブリダニは、危害を加えられた株やハダニの巣の臭いでやってきます。

 

チリカブリダニは、餌食の生息密度が自らのそれよりも低いと新しく探しに動きます。20℃ではチリカブリダニのメスはハダニのメスよりも多く産卵し、メスの数も多くなります。その上、生涯サイクルが短いので数の増加が著しいです。捕食の適温は15~25℃です。30~35℃以上になってしまうとチリカブリダニは摂食を止めてしまいます。

 

チリカブリダニは、Spidex、Spidex plus、Phytoseiulus-system、Phyto-line pという製品名で販売されています。これらの製品には成虫も含まれています。

 

ミヤコカブリダニ(Amblyseius californicus)も捕食動物として使われCalifornia-system、Ambly-line cal、Spiral等の名で販売されています。

> 薬剤での防除

集中的に薬剤が使用されたため、ナミハダニ(Tetranychus urticae)は数々の植物衛生用品に対して抵抗力がついてしまいました。その上、薬剤の集中的使用により自然に発生する天敵も被害に遭います。

 

植物衛生処置剤の規制、認証が頻繁に変わる今日、また、世界各国の規制が異なるため、薬剤使用において認証の最新情報をご案内する ことは大変難しくなります。生産者様方は、各自で植物防疫課にお問い合わせいただき、改正版の植物衛生処理剤の規制、認証情報を請求されるようお勧めいた します。

これらの薬剤を使用する場合は使用者独自の責任となります。まず先に、薬剤の作用を調べたり(使用量を決める)、株への影響 (毒性があるか)を見るために、サンプル株に試験的に試されることを強くお勧めします。



注意

こちらのページではモレル社栽培専用子会社 Montourey S.C.E.A (フランス・フレジュス)にて試験されたシクラメン栽培方法をご紹介させていただきます。 これらのシクラメン栽培の経験は、南仏での一般的な気候のもとで得たものであり、他の状況に合わせるにはいくつかの調節が必要になってくることもあります。 シクラメン栽培の前に病害虫への予防策が必要です。   これらのアドバイスや提案は飽くまでも情報提供としてであり、結果を保証するものではありませんのでご了承ください。栽培前に一度テストとして試していただくのが最良かと存じます。

 

害虫 :

S.A.S Morel Diffusion

2565, rue de Montourey
83600 Fréjus - France

Tel (輸出部代表) : +33 (0)4 94 19 73 04
Tel (代表) : + 33 (0)4 94 19 73 00
Fax : +33 (0)4 94 19 73 19

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